拝啓、これから個人事業主になる方たちへ

少しでもお役に立てば・・・光栄です。

毎年のことですが年末調整及び企業の決算の時期、個人事業主であれば確定申告の季節がそろそろを訪れます.。

皆さんは自分で確定申告を行なっていますでしょうか。

僕は個人事業主として仕事を始めて5年が経過しました。

最初はわからないことばかりで、毎年、確定申告の会場に行っては何時間もかけて説明を受けられる列に並び、全て質問しながら入力を行って、確定申告書をプリントアウトしそのまま会場で提出していました。

個人事業主でも経営的に余裕があれば全てを税理士さんにお任せして年間そのないの報酬を払って委託するのも良いでしょう。

しかしできれば自分でできることは自分でやりたいのが個人事業主というものです。

もちろんマンガ家さんとか作家さんとかそれこそ資金繰りに余裕のある方たちは、本業の方が忙しくてなかなか経理の方まで手が回らないと思います。しかし個人事業主で完全に一人で事業を行っている場合、開いている時間なのに自分で済ませられればそれに越したことはありません。

個人事業主の確定申告には白色申告と青色申告というものがあります。

この辺の情報はあらゆるサイトに詳しく載っているので、ここではあまり詳しくは触れませんが、自分で確定申告方法を一から勉強し完璧に申告していくのはかなり難易度が高いと言えるでしょう。

業種などにもよりますが不動産収入があるとより特別な知識が必要となっていきます。

大きな機材や不動産を事業で使う場合には固定資産税や減価償却法なども勉強する必要があり、特にオープンの初年度はかなり難易度が上がります。

あまりこう言ったことに自信のない方は初年度から3年から5年は専門家に任せた方が間違いないと思います。

あまり大きい声では言えませんが、自分は取り返しのつかない致命的なミスを犯してしまったのです。

 

一人ですべてやろうとすると必ず一杯一杯になります。

大変ありがたいことにこんな時代ですから、あらゆる情報をインターネットから調べることができます。

しかし、そこにある情報全てが正解ではありません。まして実務経験がゼロの人間が確定申告を一から行おうとするとどうしても漏れてしまうところが出てきます。

ましてインターネットで調べたにわか知識だけで確定申告を始めて行おうとするとほとんどのことがわかりません。

各都道府県で行っている税務署の説明会などには必ず顔を出すようにしたほうが賢明です。

知り合いに税理士や先輩個人事業主がいれば話は早いのですがなかなかそう言った人たちも多くはありません。

自分は何とかインターネットで調べながら、ある程度形になるまでは作成できましたが、結局最終的には期限ギリギリで会場に行って、そこにいるボランティアの税理士会の方たちに多大な迷惑をかけながら確定申告書を作成したのを覚えています。

個人事業主と聞くと規模が小さい分、やることも少ないと思いがちですが実はそうでもありません。

税金の申請というのはとても大切なことではありますが、すべてを理解するには税理士という専門職があるように、なかなか一人で法律の細かいところまで把握することは不可能に近いと言えます。

事業を起こしての初年度なんて特に右も左も分からない状態で準備のことで頭がいっぱいなのに、プラスアルファ税金のことなんて考える余裕はありません。

今思えば、そんな時に全てお会計士の人や税理士の人にお任せすることができたらどんなに楽だったことでしょう。

当然報酬は発生しますがそれ以上の恩恵にあやかれたと思います。

そんな感じで自分は初年度なんてほとんどバタバタしていて何をしていたかなんてほとんど覚えておりません。

取引先のことやお客様への配慮、店舗の管理やこれからの運営のことについて大きな不安ばかりしか頭にはありませんでした。そんな時になかなか冷静に税金のことを考えたり客観的にお店のことを考えたりすることなど初めての人間にできるわけがありません。

当然、完璧にこなす人もいるのでしょうが、残念ながら自分はそんな素晴らしい人間ではありませんでした。

そんな折自分は一つの大きな過ちを犯してしまっていたのです。

しかしそれに気づくのは四年ほど経過した後でした。

 

白色申告と青色申告

当然こんな自分でも白色申告と青色申告の存在はなんとなくわかっていました。

当時、白色申告は単式簿記での記入が認められていました。詳しいことはわかりませんが青色申告は複式簿記と言う記帳方法を行うことにより節税ができるというものでした。

詳しいことは忘れてしまいましたが、初年度に発生した赤字を翌年まで繰り越せると言う特典もついていました。(特典という言い方は不謹慎かもしれません・・・)

当然自分は複式簿記のやり方など全くわからないので『やよいの青色申告』というソフトを買って青色申告で申請することを計画しました。

まずは家電量販店に並んでいた『やよいの青色申告』を購入し、簡単な説明を読んで早速必要事項を記入して、毎日の売り上げを一つずつ記入して、領収書も記入して意気揚々と決算書を作成していました。

減価償却資産の登録には少々手こずりましたが、全てインターネットに載っていたのでなんとか提出できるだけのクオリティには仕上げることができました。

一応確定申告の会場に決算書を持って行って、ボランティアの税理士さんに確認してもらい、大きな間違いはなく無事に確定申告を終えることができました。

なんとか自力でやり遂げた達成感と安心感でその年は満足していました。

翌年も同じように何とか初年度のやり方を思い出しながら記入を始め、一応まだ2回目なので会場の係りの人に色々聞きながら無事に提出することができました。

そんな、これから3回目の確定申告を行おうとしていた年末の出来事です。

税務署から確定申告のお知らせのハガキが届きました。

そこには自分の名前と事業名、確定申告の仕方が記載されてありました。

そこには申告方法のところになぜか白色申告と言う記入がありました。自分は決算書も添付して青色申告として税務署に提出していたのでこれはおかしいと思い税務署の方に問い合わせてみました。

そうしたところ帰ってきた返事はそのハガキの内容はあまり意味のないものなので気にしないで例年通り確定申告を行ってくださいというものでした。

自分はその時何の疑問も抱かずにそのまま1年目2年目同様青色申告で決算書を作り確定申告を提出しました。

問題が起きたのは翌年のことです。

同じようにまた年末に確定申告のお知らせのハガキが届きました。

するとまたそこには確定申告の方法の部分に白色申告という記入がされていました。

自分もこれはさすがにおかしいと思いまた税務署の方に問い合わせてみました。

すると今度は帰ってきた返事はあなたの申告方法は白色申告なので今までの青色申告の確定申告書は受け付けられませんということでした。

なので今年も白色申告で確定申告を行ってくださいと言う返事でした。

自分は愕然としました。

1年目2年目3年目と自分は青色申告のつもりで確定申告を行っていたのですが、 税務署の方では白色申告での申告ということになっていたのです。

そうです実は自分は事業を立ち上げた当初バタバタと慌ただしく動いているうちに税務署上野開業届と青色申告でこれから確定申告をしますという青色申告の届出をしていなかったのです。

普通に考えれば大変馬鹿馬鹿しいことなのですが、その当時は慌ただしさに追われそんな当たり前のことも忘れてしまっていたのです。

当然そんなことを認めてくれるはずもありません。

日本という国は書類と印鑑を重んじる国です。

提出したという控えもなければ税務署の方に書類もないということなので自分には抵抗する余地もありませんでした。

皆さんは絶対にこんなことはしないと思いますが、万が一のためにこの記事を書かせていただきました。

もしこの記事をこれから個人事業主になろうという方が向いて絶対に忘れるものかという思いを心に持っていただければ幸いです。

その後はもちろん青色申告で提出していた書類を修正申告という形で白色申告で作り直し、開業届と青色申告の届出をして翌年から青色申告で確定申告ができるように税務署の方たちに手続きを手伝っていただきました。

青色申告で計算していたものを白色申告にしたわけですから、当然支払うべき税金は増えます。

今も後から発生した税金を分割で支払っている状態です。

たったひとつの書類を忘れただけで何年にもわたって本来なら払うとも思っていなかった税金をずっと払い続けるのはかなりの負担です。

高い勉強代だと思い受け入れましたが、こんなことになるなら最初から税理士の方にお願いしておけばよかったと今でも思います。

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